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老朽延長も新設も・・危険な原発に頼り続ける異常

 運転開始から40年たった老朽原発の運転を延長する、地震への不安が高まる中、電力が不足しているわけでもないのに原発を再稼働する、住民の反対で進まない原発新設の企てに固執し続ける―。危険な原発依存を拡大する、異常な動きが相次いでいます。東京電力福島第1原発の重大事故から5年半近く、事故収束の見通しは立たず、住民の避難も続いているのに、原発に回帰しようとする動きは、住民・国民の不安を逆なでするものです。老朽原発の運転延長や停止中の原発の再稼働、新増設などの動きは直ちに中止すべきです。

ルール空洞化の運転延長

 なかでも原子力規制委員会が、原発の運転は開始から40年と法律に明記されたのを踏みにじって、6月に運転延長を認めた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)に続き、11月末に運転開始から40年を迎える美浜原発3号機(同)についても、基準に「適合」するとの審査書案をまとめ、延長を認めようとしているのは重大です。

 確かに法律では「例外」として1度に限り最長20年の運転延長を認めていますが、原子力規制委が立て続けに運転延長の手続きを進めているのは、例外を例外でなくし、運転期間の制限そのものを骨抜きにするルール破壊の企てです。

 原発の運転を開始から40年と制限したのは、老朽化した原発では機器の老朽化や原子炉の壁が放射線にさらされることなどで事故が起きやすくなるためです。原子力規制委は運転延長に耐えられるか審査することになっていますが、新たな対策には費用も時間もかかるからと、ケーブルなどの交換は間に合わせで済ませ、重要設備の耐震性などの確認は先送りしたまま「適合」と判断しています。文字通り最初に運転延長ありきで、住民の安全は二の次、三の次といった不当な態度です。

 1、2号機で運転延長が認められた高浜原発では、先に3、4号機で再稼働が認められましたが、原子力規制委の審査は不十分すぎるとの裁判所の判断で運転が停止され、再開の見通しが立っていません。にもかかわらず運転延長の手続きを進めるのは、司法の判断さえないがしろにするものです。

 安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」にするとのエネルギー基本計画を立て、原子力規制委が「適合」と判断した原発は再稼働させると、原発依存を推進してきました。しかも、2030年度に電力の20~22%を原発で賄うためには、再稼働だけでなく、運転延長や新増設も不可欠だとしています。原発依存の拡大をやめさせるためには、安倍政権の暴走を阻止することが不可欠です。

原発の再稼働は必要ない

 今年春以降九州地方を襲った連続的な地震の延長線上にある四国電力伊方原発(愛媛県)の危険性が高まっているといわれるのに、規制委が認めたからと3号機を8月にも再稼働させようとしているのは危険です。住民が中止を求めるのは当然です。中国電力上関原発(山口県)建設のための埋め立て工事許可を山口県が延長したのも住民の意思に逆らうものです。

 いま国内で運転しているのは九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)だけですが電力は足りています。再稼働も運転延長も新増設もやめ、原発依存を断ち切ることこそ、国民の不安解消に必要です。

(「しんぶん赤旗」2016年8月5日より転載)