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規制委に専門家ら批判・・原発の基準地震動見直し拒否

 原子力規制委員会は7月27日、原発再稼働の前提となる審査で、想定する地震の揺れ(基準地震動)の算出方法を見直さないと決めました。元委員長代理の島崎邦彦東京大学名誉教授(地震学)が過小評価の恐れを指摘していました。担当だった島崎氏の懸念をはねつける規制委の姿勢に、専門家からは「結論ありきだ」と批判の声が出ています。

 原発の審査では、基準地震動がどれくらいの値になるかが焦点の一つ。基準地震動が見込みより大きくなれば、電力会社は耐震補強工事などに多くの費用と時間をかける必要が生じます。設計上、許容できる値を超えれば、再稼働自体が不可能になります。

 島崎氏は、基準地震動の算出に大きな影響を与える震源の大きさを求める予測式「入倉・三宅式」の問題点を指摘。西日本に多く見られる活断層に適用された場合、過小評価を招くとして、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)などで使われている別の手法の採用を提案しました。

 しかし規制委は27日の定例会合で、地震本部で使われている手法による再計算は行わないと決定。各原発で詳細な調査が行われており、今のままでも十分余裕が見込まれているとして、見直しを拒みました。

 「入倉・三宅式」は関西電力大飯原発(福井県)をはじめ、関電高浜原発(同)や九州電力玄海原発(佐賀県)などでも使われています。見直しとなれば、多くの原発で再稼働の行方に影響を及ぼす問題でした。

 規制委の検討会で、地震の新規制基準策定に関わった防災科学技術研究所の藤原広行・社会防災研究システム部門長は「地震本部の手法は正当と認められており、規制委の姿勢は答えありきが伝わってくる」と批判。「地震動観測の歴史は60年に満たず、分かっていないことがたくさんある。謙虚に受け止める必要がある」と指摘します。

 原発の地震動に詳しい長沢啓行大阪府立大学名誉教授も、「地震本部の手法で大飯原発の地震動を計算し直せば、1・5倍程度になる。規制委は過小評価が明らかになるのを恐れたとしか思えない」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2016年8月1日より転載)