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高浜3・4号機再稼働認めず・・大津地裁 “命守る決定 三たび” /市民ら歓声と拍手

(写真)関電の異議を退ける決定を喜ぶ申立人ら=7月12日、大津市
(写真)関電の異議を退ける決定を喜ぶ申立人ら=7月12日、大津市

高浜3 ・ 4号機 再稼働を認めず・・関電の異議退ける/大津地裁

 関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定(3月9日、原決定)に対し、関電が申し立てた異議について、大津地裁(山本善彦裁判長)は7月12日、異議を退け、原決定を認可する決定を出しました。高浜原発3、4号機は引き続き運転することができません。

 決定は、福島原発事故の原因も分かっていないのだから、新規制基準に適合しているからといっても、それだけでは安全だとは言えず、社会において許容されないと述べています。その上で、関電は少なくとも規制がどのように強化され、どう応えてきたかの主張・疎明は安全性担保の第一歩であると指摘しています。

 仮処分申立人代表の辻義則さん(69)=滋賀県長浜市=は大津地裁前で「関電は、裁判所の決定、『琵琶湖、命、暮らしを放射能から守れ』の県民の声にこたえるべきだ。きょうの決定を力に引き続いて高浜原発の再稼働を許さないたたかいを強めたい」と述べました。

 福井市から大津地裁前に駆けつけた酒井照子さん(69)は「福井では原発再稼働禁止の仮処分決定は覆されましたが、大津では守られてよかった」と喜びを語りました。滋賀県彦根市の北村教子さん(70)は「放射性廃棄物の処理ができない原発は、福島事故の前からも賛成じゃなかった。このまま動かすことなく廃炉にしてほしい」と話しました。

 

高浜3・4号機再稼働認めず・・大津地裁 “命守る決定 三たび” /市民ら歓声と拍手

福井から参加した、「福井から原発を止める裁判の会」の奥出春行さんと山本きよこ敦賀市議(写真と引用は、山本雅彦)
福井から参加した、「福井から原発を止める裁判の会」の奥出春行さんと山本きよこ敦賀市議(写真と引用は、山本雅彦)

 「判断は揺るがず」―高浜原発3、4号機運転差し止め仮処分の取り消しを求めた関西電力の異議を大津地裁が退けた7月12日、同地裁前は「再稼働許さず、命守る決定三たび」の喜びにあふれました。

 午後3時33分、地裁建物を出た申立人・弁護団が手で合図を送ると、入り口前に集まった支援者から「やったぞ」の歓声と拍手が起き、「ありがとう山本裁判長」の赤い旗が揺れました。

 申立人の一人、杉原秀典さん(66)は「鹿児島で脱原発の知事が誕生し、それに続く大津地裁決定です。『原発なくせ』の流れは大きくなっている。大きな希望です」。4歳の長男の手を引く女性(40)は「でたらめな世の中で、当たり前のことを当たり前にいってくれた決定にスカッとしました」。

 福島県南相馬市から大津に避難した女性(66)は、福島第1原発事故前から脱原発の裁判をたたかってきました。「18年間負け続け、やっと住民の声を聞いてくれた決定です。これを突破口に原発を一基たりとも稼働させない運動を全国に波及させたい」

 名古屋高裁で裁判をたたかう、福井から原発を止める裁判の会の芦野順介さん(72)は「うれしいのひと言です。大飯原発3、4号機を再稼働させないため、私たちも頑張ります」と語りました。

 井戸謙一弁護団長と、辻義則申立人代表らは滋賀弁護士会館で記者会見し、「関電が抗告しても大阪高裁で勝利するため引き続き力を尽くす」とする声明を発表しました。

(「しんぶん赤旗」2016年7月13日より転載)