関西電力は6月23日までに、原子力規制委員会に握出した原発の運転期間延長申請に関する資料でマスキング(白抜き)している対象を見直すとする、新たな方針を明らかにしました。
規制委の審査は資料を含め原則公開です。しかし、実際には事業者の営業機密などを理由に資料の多くが白抜きなどにされています。
特に、高浜1、2号機の延長申請の審査では、原子炉の中性子照射脆化(ぜいか)に関連したデータの多くが白抜きになっていました。旧原子力安全・保安院当時の会合資料では、関電美浜原発2号機についての同等のデータが公開となっており、研究者や市民団体などから、公開性、透明性が後退していると指摘されてきました。
関電は16日、規制庁に見直し方針を示し、規制委が22日、ホームページで公開しました。
関電は、見直し方針とともに、公開範囲を見直した高浜1、2号機原子炉の中性子照射脆化関連の資料などを公開しました。
今回の見直しは運転期間延長申請に関するものだけです。関電は「材料スペック」や解析につかう「物性値の選定根拠」などは今後も非公開としています。
(「しんぶん赤旗」2016年6月24日より転載)