東京電力福島第1原発事故で、福島県大熊町の主力工場が操業停止に追い込まれた東証1部上場の農薬メーカー「アグロカネショウ」(東京)が、東電が示す賠償額の算定方法は不当だとして約1億7300万円の支払いを求めた訴訟の判決が5月30日、東京地裁でありました。中吉徹郎裁判長は原告側の請求を大筋で認め、東電に約1億4500万円の支払いを命じました。
主な争点は、操業停止で支払わずに済んだ人件費をどう計算するかでした。東電側は「会社全体の粗利益の4割を占める工場を停止すれば、総人件費も4割減少する」と、賠償額から差し引くよう主張。しかし中吉裁判長は主力工場の勤務者数は全社員の1割にすぎないと指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2016年5月31日より転載)