川内原発まず停止に・・公害地球懇が東京で学習会/地震の特徴ふまえ
公害・地球環境問題懇談会(JNEP)は5月14日、「地震列島日本の原発—熊本地震は警告する」と題した学習会を都内で開き、45人が参加しました。
新潟大学名誉教授(地質学)の立石雅昭さんが講演。九州を横断地震する長さ120キロを超える地域で震源断層が次つぎに移動し、震度5弱以上の地震が近年に起きたどの地震よりも頻繁に発生しているなど熊本地震の特徴について報告しました。
立石氏は、熊本地震のような断続的に大きな揺れが原発を襲った場合、重要な構造物がどうなるかについて検証されていないなどの問題が提起されていると指摘。原子力規制委員会が九州電力川内原発の運転継続を認めた際、“根拠がないのに、
止めなさいと判断できない”などと規制委員長が述べていることに対し、「本末転倒だ」と批判しました。
「稼働ありきでなく、まずは川内原発を止めるべきだ」と指摘した立石氏。「熊本地震が提起している問題を真摯(しんし)に考えた科学的検証が必要。震源の移動や余震の大きさなどに対する国民の不安にこたえるべきだ」と強調しました。
学習会では、産業技術総合研究所主任研究員の歌川学氏が、原発に依存せず二酸化炭素の大幅な排出削減ができることについて、パワーシフトキャンペーン事務局で環境NGOのFOEジャパンの吉田明子さんが、自然エネルギーを重視する電力会社を選ぶ活動についてそれぞれ話しました。
(「しんぶん赤旗」2016年5月15日より転載)
南相馬の避難指示 7月1日解除・・政府が提示
政府は5月13日、東京電力福島第1原発事故で福島県南相馬市の一部に出ている避難指示を、放射線量が高い帰還困難区域を除き、7月1日に解除したい考えを市側に提示しました。住民説明会を開いて意見を聞いた上で、市と最終協議します。
対象区域には約1万1000人が住民登録しています。
政府は2月、除染が進み生活できる環境が整ったとして、国の除染などが完了することを前提に4月中の解除意向を示していましたが、市による除染完了の確認作業が終わらず断念しました。
(「しんぶん赤旗」2016年5月15日より転載)