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過酷事故避難 2段階は混乱必至・・藤野氏 「川内稼働中止を」 & 川内原発停止求める・・井上氏 「再稼働の前提崩れた」

過酷事故避難 2段階は混乱必至・・藤野氏 「川内稼働中止を」

(写真)質問する藤野議員=4月21日、衆院原子力問題特委
(写真)質問する藤野議員=4月21日、衆院原子力問題特委

 日本共産党の藤野保史議員は4月21日の衆院原子力問題調査特別委員会で、過酷事故の発生時に、原発の5~30キロ圏内の住民に屋内退避を強いる原子力災害対策指針の「2段階避難」の問題点をただしました。

 藤野氏は、多くの被災者が「余震が怖くて家に戻れない」と車中泊を余儀なくされている熊本地震での被災者の実態を示し、「屋内退避の方針の矛盾が浮き彫りになった」と指摘。「原子力規制委員会として、この方針が機能するか再検討しないのか」と迫りました。田中俊一原子力規制委員会委員長は「(屋内退避の目的は)放射能を吸いこまないこと。地震が起きた場合でも基本的には公共の避難場所に留まることが必要だ」と答えました。

 さらに藤野氏は、過酷事故が発生した際に、放射性物質の拡散予測をする緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の使用について、政府は自治体任せにし、原子力規制委員会は使用としている問題を指摘。「避難時に(政府と原子力規制委員会の)どちらの情報を聞いていいのか分からず、2段階避難は破たんする」と強調しました。田中委員長は「(政府と)調整はしていない。当該自治体の責任において避難する」と答弁しました。

 藤野氏は、関電高浜原発3・4号機の運転停止を命じた大津地裁の決定(3月)が、「避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準」をつくる義務を指摘した重要性を強調し、川内原発の稼働中止を求めました。

(「しんぶん赤旗」2016年4月22日より転載)


川内原発停止求める・・井上氏 「再稼働の前提崩れた

(写真)質問する井上議員=4月20日、参院決算委
(写真)質問する井上議員=4月20日、参院決算委

 日本共産党の井上哲士議員は4月20日の参院決算委員会で、熊本地震のさなかに稼働を続ける川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の停止を求めました。

 井上氏は、熊本県益城町で今回記録した1580ガルの揺れは、九州電力が川内原発で想定した基準地震動(620ガル)をはるかに超え、こうした地震は次にどこで起きても不思議ではないと強調しました。政府は今回の地震を起こした断層が想定より長く、未知の断層も判明したこと、内陸地震としては活動域がかつてなく広域であることを明らかにしました。

 井上氏は、川内原発のある南西方面での地震の警戒が必要とする専門家の指摘を示し、「原子力規制委員会が川内原発の再稼働を認めた前提が崩れている」と述べ、不測の事態に備えて稼働継続の是非を真剣に検討するよう求めました。

 丸川珠代原子力防災担当相は、これまでのところ川内原発で観測されたのは最大12・6ガルで「現状では停止の必要はない」と答弁。井上氏は「これまでのことではない。今後、どこでも起こりうるという立場で政府が備えなくてどうするのか」と批判しました。

 井上氏は、規制委が同日、運転開始から40年を超えた老朽原発である高浜原発1・2号機の再稼働の前提となる審査書を決定した問題にも言及。政府の「長期エネルギー需給見通し」では、運転延長を常態化せざるをえなくなるが、中性子によりもろくなった原子炉の運転は危険極まりないと批判しました。

(「しんぶん赤旗」2016年4月22日より転載)