政府は4月10日、東京電力福島第1原発事故で全村避難中の福島県葛尾(かつらお)村への避難指示について、同県田村市で住民説明会を開き、放射線量が高い帰還困難区域を除き6月12日に解除したい意向を示しました。しかし、参加した住民からは「除染が不十分」との声が相次ぎました。
説明会には、政府の原子力災害現地対策本部の後藤収副本部長らが出席。集まった住民約300人に対し、除染が昨年12月で一巡し、空間線量率が除染前と比べ半減したなどと説明しました。しかし住民らは、自宅を囲む山林での除染は終了していないなどと指摘し、放射能への不安を訴えました。
後藤副本部長は説明会後、解除の時期について「(村議会の意見や住民説明会の結果などを)総合的に勘案し、村と協議したい」と記者団に語りました。
(「しんぶん赤旗」2016年4月12日より転載)