原子力規制委員会は2月19日の定例会で、原発の再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査において、審査結果を取りまとめる「審査書案」の作成を優先的にすすめる原発を2、3週間後にも絞り込む方針を決定しました。この段階で、審査“合格”の見通しを予告するのにも等しい状況です。また、審査書案を作成した後、意見募集を実施したり、「公聴会」を開催することを決めました。
現在、審査の申請が出ているのは10原発17基。昨年7月の審査開始とほぼ同時に申請した北海道電力泊(北海道)、関西電力大飯、高浜(いずれも福井県)、四国電力伊方(愛媛県)、九州電力玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)の「加圧水型」6原発の審査が先行しています。
規制委は、原発へ影響を与える最大の地震の揺れや、最高の津波高さなどが確定し、他に重大な審査上の問題が無いと判断された原発について、審査書案の作成段階に入るとしています。また、加圧水型、沸騰水型それぞれのタイプの最初の審査書案は、「審査チームの総力を結集して優先的に取り組む」として、現在分かれている審査チームの枠を超えて審査の担当職員を投入する方針です。絞り込みを判断する1回目の節目を2、3週間後としています。
また、審査書案に対する科学的・技術的意見を広く募集するとして、案がまとまった後4週間程度、意見募集を実施。さらに立地および周辺自治体からの開催要請に基づき、公聴会を実施するとしています。公聴会の実施要領は今後審議します。
規制委の審査をめぐっては、茂木敏充・経産相が審査の見通しの提示を催促していました。