日本共産党の倉林明子議員は3月23日の参院経済産業委員会で、福島第1原発の汚染水対策の目標期限の先送りが濃厚になっている東京電力の対応と、それを容認する政府の姿勢を批判しました。
昨年6月の廃炉・汚染水対策関係閣僚会議で決定した福島第1原発廃止措置に向けた中長期ロードマップでは、信頼性が低いフランジ型タンクを2016年早期に全て溶接型に切り替えるとしています。しかし、東電は3月、処理すべき汚染水量を減らせていないことなどを理由に老朽化したフランジ型タンクを再利用する計画を示しました。
倉林氏が、凍土壁稼働により新たに汚染水が増えるリスクについてただし、田中俊一原子力規制委員会委員長は、リスクについて否定できませんでした。
「これ以上、汚染水を環境に出すことは絶対にあってはならない。フランジ型タンクの再利用などとんでもない」と迫った倉林氏に対し、林幹雄経産相は「東電を指導する」と答弁せざるを得ませんでした。倉林氏は「豊かな漁場を奪われ、汚染水漏れによる実害に苦しんでいる人々の思いに真摯(しんし)に向き合い、なし崩しにトリチウム水を薄めて海に流すなど決して許されない」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月29日より転載)