原子力規制委員会は3月23日、40年を超えた運転延長認可の期限を7月7日に控えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の工事計画の審査に関して、関電が採用したこれまでと異なる耐震評価の手法の妥当性を確認するための試験を使用前検査で実施することを了承しました。使用前検査は、工事計画認可後に計画通りに工事が実施されたことを確認する検査で、期限はありません。運転延長の審査基準を形骸化するものです。
運転延長認可には、設置変更許可と工事計画認可が必要です。現在、評価書案の意見募集を実施している高浜原発1、2号機は、運転延長認可の期限である7月7日までにこれらの審査を終える必要があります。
高浜原発1、2号機の耐震評価で、関電が従来と異なる手法の採用を示したことから、その妥当性が問題になっていました。
規制委は、期限を限られた工事計画の審査では、関電の新しい手法を前提に耐震性の評価を確認することにし、手法そのものの妥当性はや実機での試験を使用前検査で実施し、確認することにしました。
規制庁の担当者は、試験で新しい手法の妥当性が確認できなかった場合でも、一度出された工事計画認可は取り消しにならないと説明しています。
(「しんぶん赤旗」2016年3月24日より転載)