国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた福島原発事故いわき市民訴訟の第16回口頭弁論が3月23日、福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で開かれました。
いわき市内で美容室を営む原告の女性(51)が意見陳述しました。
女性は、水素爆発が起きた後の街は「近所の人たちは次々に荷物を車に積み避難。ゴーストタウンになり、人影が見えなくなった」と証言。自主避難を決断したときは「もうこの家には帰れないのではないか」と思い、「仏壇の位牌(いはい)を持って避難しました」と陳述しました。
5年前のことを思うと今も涙が出てしまうと述べた女性は「権利主張をきちんとしなければ、加害者主導のもとで決めた賠償基準がまかり通ってしまう。今、何もしなければ、未来の世代に対して責任が果たせない」と裁判長に訴えました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月24日より転載)