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福井新聞の記事・・市民団体のコメントなし・・(福井新聞=小浜・さばトラななちゃん ステージでパフォーマンス 会議所 貸し出し 市「誤解与えた」/反原発集会に市公認キャラ)

3・11メモリアルアクション〜原発のない新しい福井へ〜で講演する嘉田由紀子・前滋賀県知事(3月13日、小浜市)
3・11メモリアルアクション〜原発のない新しい福井へ〜で講演する嘉田由紀子・前滋賀県知事(3月13日、小浜市

 福島原発事故を2度と繰り返さないと、毎年、開催されている「3・11メモリアルアクション~原発のない新しい福井へ~」が3月13日、福井県小浜市で開かれ、市民ら約550人が参加しました。会場の小浜市文化会館では小浜のゆるキャラ「さばトラななちゃん」が出迎えてくれました。

 集会では、笠原弁護士が高浜原発の運転差し止めの仮処分決定の報告の後、楢葉町の早川千枝子さんが原発事故後の辛い体験を語られ、嘉田由紀子元滋賀県知事が、卒原発の知事として取り組まれたことなど話されました。その他、敦賀の元原発労働者他、県内外のみなさんが原発ゼロの取り組みを話され、原発ゼロをめざす集会アピールが採択され、小浜市内をパレードしました。

 翌日、14日の福井新聞でも、集会の内容は紹介されたものの、「認識が甘かった・・市民に(市が反原発と思われるような)誤解を与えた」(橋本長一朗産業部長)や、商会議所の「キャラクターショーで使うとは聞いていたが、中身までは知らなかった」などのコメントを紹介しました。しかし、主催者のコメントはなく、一方的な批判記事だといわざるを得ません。

参加者を出迎える、さばトラななちゃん
参加者を出迎える、さばトラななちゃん

 主催者側は、「再三、反原発の集会に使うことを説明し、理解を得た」(実行委員会事務局)とコメントしており、両者の説明は異なっています。

 福井新聞は、批判者側のコメントしか掲載しておらず、ジャーナリズムのルールに反するものであり、改善が求められると思います。

(2016年3月14日、山本雅彦)

 

大津地裁決定を受けた3・11メモリアルアクション 集会アピール(案)

 3月9日、大津地裁は高浜原発3、4号機運転を差し止める仮処分決定を出しました。

 ところが、西川一誠・福井県知事は、「立地地域の不信や不安が危惧される状態を遺憾に思う」、「政府や原子力規制委員会が今回の決定に正面から向き合い、原発の重要性や安全性の国民理解を進めていくべき」と述べたと報道されています。これは、原発の重大事故に対する住民の不安や心配をおもんばからず、関電の経済性とコスト、国の原発一辺倒の政策を最優先させたもので、私たちは、怒りを禁じ得ません。

 福島第1原発事故から5年が経過したにもかかわらず、いまだに事故は収束しておらず、事故原因もわからないままです。放射能で汚染された地域に人は住むことができず、今も10万人以上の住民が避難生活を余儀なくされ、原発事故関連死は2000人を超えています。福島での住民アンケートによれば、避難生活をおくっている人の健康状態は、「悪い」と答えた人が約7割にもおよび、「東電は責任を果たしていない」と答えた人が8割にも達しています。浪江町から福島市に避難した女性は、「原発事故さえなければ、ストレスで体調を崩すことはなかった。事故の責任をとるというなら元の普通の生活を返してほしい」と訴えました。

 大津地裁の山本善彦裁判長は、関西電力の過酷事故対策の問題点、規制委員会の新規制基準の不備、津波対策や避難計画の不備をあげ、「住民の人格権が侵害される恐れが高い」、「避難計画も視野に入れた規制基準を策定すべき信義則上の義務が国家に発生している」と指摘し、高浜原発3、4号機の停止命令を下しました。

 この仮処分決定は、どれだけ大多数の国民が、「フクシマを2度と繰り返してはならない」「原発をなくし、自然エネルギーへ転換を」と望んでも、前後の見通しも考えないで、何があっても原発を動かそうとする安倍政権、原子力規制委員会と福井県に対する警告です。

 よって、規制委員会は、新規制基準が多くの点において「合理性がない」と指摘されたことを厳粛に受け止め、すべての原発の基準適合性審査の手続きを直ちに中止するよう強く求めるものです。

 そして、安倍政権はこの判決を重く受け止め、「エネルギー基本計画」を撤回すること。そして、今必要なことは、高浜原発はもとより、全国の原発の再稼働を中止・廃炉にし、地域の経済循環と新しい雇用を生み出す地域密着型の再生可能な自然エネルギーへの転換です。

 私たちはこの判決・決定を力に、政府に対し即時原発ゼロの政治決断を行うよう、みなさんと連帯し、さらに草の根の住民運動を強めましょう。

 

       2016年3月13日

3・11メモリアルアクション〜原発のない新しい福井へ〜

「さよなら原発福井県集会2016 in 小浜」参加者一同

 


 

(以下、福井新聞3月14日の記事より転載)

福井新聞の記事=小浜・さばトラななちゃん ステージでパフォーマンス 会議所 貸し出し 市「誤解与えた」/反原発集会に市公認キャラ

 小浜市文化会館で(3月)13日開かれた反原発団体の集会に、同市の公認キャラクター「さばトラななちゃん」が参加した。

 着ぐるみの胸には「原発銀座はゴメンだ」とのメッセージが張られ、反原発を訴える合唱のステージで手拍子をしたり踊ったりした。小浜をPRするキャラクターが、特定団体の主義主張に賛同したかのようなパフォーマンスを行ったことに、市側は「認識が甘かった」として、利用貸し出し規定を精査し見直す方針。

 「さばトラななちゃん」は小浜商工会議所が所有し、イベントなどを行う団体に着ぐるみを貸し出している。同会議所の担当者によると、集会を主催する実行委員会の関係者から2月に「『さよなら原発』の集会で使用したい」との申し出があった。

 その後配布されたチラシには「3・11メモリアルアクション 原発のない新しい福井へ」と書かれ、裏面には県内の反原発団体名が列挙されていた。同会議所は市に相談した上で、貸し出しを許可した。

 同会議所の着ぐるみの利用規定には「野外での使用は不可」とあるが、集会やイベントの中身の制約は明記されていないという。申請を受け付けた担当者は福井新聞の取材に対し「キャラクターショーで使うとは聞いていたが、中身までは知らなかった。良心に任せるしかなかった」と説明した。

 同市の橋本長一朗産業部長は取材に対し「認識が甘かったと言わざるを得ない。市民に(市が反原発と思われるような)誤解を与えたことは申し訳ない」と陳謝した。市、同会議所ともに「利用規定を見直し、より慎重に審査していきたい」としている。

 この日の集会は、原発反対県民会議など県内の反原発9団体と個人でつくる実行委員会が開き、メンバーら約500人が参加した。高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定について説明があったほか、「卒原発」をテーマに嘉田由紀子・前滋賀県知事が講演した。集会は約4時間開かれ、「さばトラななちゃん」は約15分間登壇した。

 (牧野将寛)

2016年3月14日の福井新聞記事より転載
2016年3月14日の福井新聞記事より転載