原発事故から5年を経たなか、すべての原発の再稼働をやめさせ、原発のない社会をめざそうと「バイバイ原発3・12きょうと」が12日、円山(まるやま)音楽堂(京都市東山区)で開かれ、2100人が参加しました。
参加者は「高浜原発再稼働撤回」「関西電力原発やめろ」と唱和し、京都市役所前までデモ行進しました。
福島から避難する秋山豊寛氏(宇宙飛行士、京都造形芸術大学教授)、朴勝俊・関西学院大教授らがスピーチ。福島県南相馬市から京都に避難している福島敦子さんは、原発が爆発した当時の緊迫した状況を振り返り「避難所では多くの人が死を覚悟した。原発のない未来を手にしたい」と述べました。
「ソウル・フラワー・ユニオン」の中川敬さんとリクオさんのライブが行われ、″ノーモア原発″とのメッセージを込めた歌を披露しました。
日本共産党の大河原としたか参院京都選挙区候補、民主党の福山哲郎参院議員が参加しました。
4歳の子どもと参加した森垣郁江さん(38)=京田辺市=は「一人ひとりの市民が原発が必要ないと声を上げ、原発をなくしていきたい」と話していました。
広島 5年前に過ち示された
福島原発事故から5年にあたって脱原発を求めるフクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」(同実行委員会主催)が12日、広島市中区の中央公園で開かれました。中国5県から約1000人が参加し、「島根も上関(山口県)も伊方(愛媛県)もどこにも原発の建設を許さない」とのアピールを採択しました。
参加者は、「ストップ!原発再稼働」と書いたポスターをいっせいに掲げてアピール。中国電力本社前まで「原発いらない!」「福島を繰り返すな!」と唱和してデモ行進をしました。
呼びかけ人を代表して県被団協の坪井直理事長が「原発は間違っていることを、5年前の事実が示している」とあいさつ。脱原発弁護団全国連絡会の海渡雄一弁護士が「脱原発のために、福島で今も続く苦難を知ること、勉強することが大事だ」と訴えました。被災した母親でつくるNPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」の飯塚友理子副理事長は、福島県いわき市で被災した自らの体験を報告しました。
島根、上関、伊方の各原発に反対する、それぞれの運動組織の代表が決意を表明。日本共産党は、春名なおあき参院比例候補、遠藤ひでかず参院鳥取・島根選挙区候補らが参加しました。
名古屋 我が子の未来のために
名古屋からも福島を応援し、原発再稼働反対の声を上げようと12日、同市中区の、もちの木広場で「原発ゼロを永遠に 名古屋アクション」が開かれ、市民700人以上が参加しました。
集会では福島県伊達市から愛知県に避難してきた岡本早苗さん(37)、「SEALDs TOKAI」(シールズ東海)の海老原陽奈さんが訴え、地元の音楽ユニット「マチルダマーチ」のユキさんが原発ゼロの思いを込めた「さよなら原発のテーマ」を熱唱しました。
岡本さんは「原発事故の発生時、5人目の子どもがおなかにいた。家族と楽しく暮らす夢が原発事故で壊された。今も愛知県で1100人の避難者が生活している。未来ある子どもたちのために、原発はなくさねばならない」と涙を流しながら語ると会場が大きな拍手に包まれました。
日本共産党の本村伸子衆院議員、民主党の近藤昭一衆院議員があいさつ。民主党の山尾志桜里衆院議員がメッセージを寄せました。
本村議員は「大津地裁が高浜原発運転停止を決定した。決定を力に再稼働を止め、原発ゼロの日本をつくりましょう」と呼びかけました。
集会後、参加者は「原発なくぜ」「安倍政権NO」と書いたボードや横断幕を掲げ、市内を行進しました。
集会に先立ち開かれた、各党の参院選予定候補が原発政策について語るつどいには、日本共産党・すやま初美、社民党・平山良平の両氏が参加。民主党の斎藤嘉隆参院議員がメッセージを寄せました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月13日より転載)