東京電力福島第１原発事故を受けて福島県田村市都路地区に設定されている避難指示について、政府は2月23日に開催した住民との意見交換会で、４月１日に解除する方針を示しました。原発から20キロ圏内の旧警戒区域での避難指示解除は初めて。

国直轄で進めていた同地区の宅地などの除染が２０１３年６月に完了。政府は、解除後の東電による賠償方針や生活再建支援策が同年12月に決まったことを踏まえ、解除可能と判断しました。同地区の人口は１１７世帯３５８人（同年末時点）で、国などの調査では44％が帰還の意思を示しています。

意見交換会には、赤羽一嘉経済産業副大臣ら政府関係者や冨塚宥?市長が出席。商業施設や医療施設の整備などの帰還支援策や、住民に線量計を貸与して健康管理を徹底する方針を改めて説明しました。

同地区は12年４月に立ち入り禁止の警戒区域が解除され、日中の立ち入りが可能な避難指示解除準備区域とされました。政府は13年10月、同１１月１日の解除方針を示しましたが、住民からの反発を受け撤回していました。

福島県沿岸部の旧警戒区域では、宅地などの除染がほぼ完了した川内村や、今年３月末に終わる予定の楢葉町でも避難指示解除に向けた検討が本格化する見通し。一方で、放射線量が高い帰還困難区域や、除染が遅れている地域では、解除の見通しは立っていません。