原子力規制委員会が2月24日、関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)について新規制基準に適合したとする審査書案を了承したことに対し、日本共産党の渡辺孝・高浜町議がコメントしました。
高浜原発1、2号機が建設された当時は、原発の寿命は30年といわれたものです。それを2倍の60年間に運転延長するというのはきわめて危険です。
高浜1号機の脆性(ぜいせい)遷移温度は95度と、関西電力が若狭湾に所有する11基の原発のなかで最も高くなっています。脆性遷移温度は、重大事故で原子炉内の冷却水が大量に失われたとき、緊急炉心冷却装置により冷却水が補給されるわけですが、これによって炉内の水温が一定温度以下になると原子炉が壊れる恐れがあるという温度です。
また避難計画も机上のもので、なんら実効性はありません。
関西電力は、大規模地震によって中央制御室の機能が失われた場合の代替施設である「緊急時対策所」を、免震性ではなく耐震性の建物を建設する計画です。耐震性では、建物は壊れなくても、内部の原子炉をコントロールする重要な機器、設備が損傷する恐れがあります。電力会社のもうけのために住民の安全を犠牲にする姿勢に怒りを感じます。
(「しんぶん赤旗」2016年2月25日より転載)