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炉心溶融 「判定基準あった」・・東電、通報・公表せず

 東京電力は2月24日、社内調査で、福島第1原発事故当時の社内マニュアルで「炉心損傷割合が5%以上なら、メルトダウン(炉心溶融)と判定する」と明記されていたのに、それにもとづいて通報・公表しなかった、と発表しました。東電の情報隠しの体質が問われます。

 社内調査は、事故を検証している新潟県の技術委員会の申し入れを受けて行われたものです。東電は、社内マニュアルにもかかわらず、調査を進める中で判明したと、ひとごとのような説明をしています。

 東電は、炉心溶融が起きた可能性が高いことを明言しなかった理由について、先の委員会で「メルトダウンの定義がなかったため」「裏付けるデータがなかった」と説明してきました。東電が炉心溶融を正式に認めたのは2カ月後の5月でした。

 東電によると、事故以前にあった事故時の防災マニュアルで、格納容器放射線モニターから算出した炉心損傷割合が5%以上の場合は炉心溶融と判断して、法令で定めた通報を行うと定めてありました。

 2011年3月14日時点で、原子炉格納容器放射線モニターは、1~3号機で30~50%の値となっており、炉心溶融として通報・公表すべきであったとしています。

 新潟県の泉田裕彦知事は「事故後5年もの間、このような重要な事実を公表せず、技術委員会の議論に真摯(しんし)に対応してこなかったことは、きわめて遺憾」と指摘。「隠ぺいした背景や、それが誰の指示であったかなどについて、真実を明らかにして」とのコメントを発表しました。

(「しんぶん赤旗」2016年2月25日より転載)