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甲状腺がん 最終案了承・・福島県有識者検討委

 東京電力福島第1原発事故を受け、当時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査で、福島県の有識者検討委員会は2月15日、検査で見つかった甲状腺がんについて「放射線の影響とは考えにくい」とする中間まとめの最終案を大筋で了承しました。ただ、最終的な結論を出すには「長期にわたる情報の集積が不可欠」と強調し。検査を継続するよう求めました。中間まとめは3月末までに決定する方針。

 中間まとめ案は、診断が確定した甲状腺がんについて、県内の原発周辺地域と遠い地域で発見率に大きな差がないことや、影響を受けやすいとされる当時5歳以下の子どもで見つかっていないことなどを指摘しました。

 一方で「将来的に臨床診断されたり死に結び付いたりすることがないがんを、多数診断している可能性が指摘されている」と言及。子ども全員を検査対象にすることで生じる「過剰診断」の可能性に触れました。

 甲状腺検査は約37万人を対象にした1巡目が終了し、100人が甲状腺がんの確定診断を受けました。事故当時の胎児も対象に加え、2014年4月に始まった2巡目は、昨年末時点で約22万人が受診。16人の甲状腺がんが確定しました。

(「しんぶん赤旗」2016年2月18日より転載)