日本共産党の高橋千鶴子議員は2月15日の衆院予算委員会で、福島第1原発事故後に国が定めた除染の長期目標に関して丸川珠代環境相が「何の科学的根拠もない」と発言した問題で同相の姿勢をただしました。
高橋氏は、環境相が「福島の方が誤解されたとしたら…」と発言を撤回(12日)したことについて、「大臣自身が県民の思いを誤解している」と批判するとともに「現地で必死に除染している方たちにも謝罪を」と求めました。
さらに、放射性廃棄物の中間貯蔵施設建設をめぐって「まだ何も言われていない」「必要な施設だから仕方ないと思っているのに、(環境省の)態度が高飛車で我慢ならん」という地権者の声も紹介し、「被災者の気持ちをきちんと受け止めるべきだ」と迫りました。
環境相は「福島の皆さんの思いに向き合っていきたい」と述べる一方、住民が求める放射線量が高い「帰還困難区域」を含めた「一体的除染」については「協議中」との言葉を繰り返しました。
高橋氏は、福島県内で「帰還困難区域」以外の住民に避難場所から来年3月まで期限を区切って帰還を促すという政府方針についても、被害実態などに応じて必要な支援・賠償をすべきだと追及しました。
安倍晋三首相は「避難指示の解除はさまざまな場における対話を重ねたうえで行うものであって、期限を切って行うものではない」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2016年2月16日より転載)