環境省の有識者懇談会(座長・大西隆日本学術会議会長)は1月30日、長期的な地球温暖化対策に関する提言をまとめました。温室効果ガス排出量について、2050年までに80%の削減を目指すとした政府の長期目標達成を見据え、温室ガス排出に課税する炭素税の導入などが有効と明記しました。
昨年末に採択された京都議定書に代わる新たな国際枠組み「パリ協定」では、産業革命前からの世界平均気温の上昇幅を2度未満に抑えるとの目標が決められました。これを踏まえ提言は「(80%削減について)本格的に実現に向けた取り組みを開始すべきだ」と指摘。具体策として炭素税や排出量取引制度の導入を挙げました。
火力発電所には二酸化炭素(C02)回収・貯留(CCS)設備が不可欠だとした上で、特に温室ガスを大量に排出する石炭火力発電への投資は「大きなリスクを伴う」と慎重対応を求めました。一方で地方を中心とした再生可能エネルギーの導入は「地域経済の基礎体力を向上させ地方創生に寄与する」と意義を強調しました。
(「しんぶん赤旗」2016年1月31日より転載)