福島県労連や民主団体が参加する、ふくしま復興共同センターは1月15日、営業損害賠償の打ち切りをやめ、住民合意のない避難指示解除を行わないことなどを政府、東京電力に求める交渉を行いました。交渉には、大型バス4台で早朝に雪の降る福島を出発した200人以上が参加しました。
政府と東電は、(1)「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の避難指示を2017年3月に解除(2)2区域の住民への精神的賠償を18年3月で廃止(3)避難区域の商工業者への営業損害賠償、区域外の風評被害賠償の打ち切り―を狙っています。
斎藤富春代表委員は「人災である事故が収束しないなかでの、避難指示解除と賠償打ち切りはきわめて乱暴だ。とうてい許されない。県民の実態を誠実に受け止めてもらいたい」と語りました。
東電から賠償減額を提示された会津地方の自営業の男性は、「東電から“これで手を打たなければ(賠償は)ゼロだ”と言われた人もいる。これが加害者のやることか」と告発。
川内村(かわうちむら)から避難し、仮設住宅の自治会長を務める男性は、経済的にも困難な住民の現状を語り、「住民一人ひとりのことをしっかり考え、期限を一方的に区切らないで」と訴えました。
福島県農民連の代表は、東電が賠償額の基準を一方的に変更したと批判。実態に合わせ、売り上げ減少分の賠償を続けるよう求めました。
交渉に先立って首相官邸前で抗議行動。「田畑を返せ」と書かれたむしろ旗やプラカードを手に「福島返せ」「原発再稼働反対」とコールしました。
日本共産党から官邸前抗議に畠山和也衆院議員が、交渉には、高橋千鶴子衆院議員、神山えつこ、阿部裕美子の両福島県議が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2016年1月16日より転載)