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線量計手に故郷回る・・福島 現場検証前に下見/生業訴訟原告団

 国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた生業訴訟(中島孝原告団長)原告団・弁護団は1月13日、3月に福島地裁が実施する現場検証の下見を行いました。

 検証予定のコースに沿って浪江町の津島活性化センターで放射能防護服に着替え、線量計を持って原告の自宅と街並みの現状を見て回りました。

 浪江町の佐藤貞利さん(68)、双葉町の福田祐司さん(68)、富岡町に住んでいた60代の女性の家を訪ねました。

 佐藤さんの家はイノシシなどに荒らされて窓ガラスが割られているなど荒廃していました。牛を230頭飼っていた佐藤さん。「なんで牛を殺さなければならなかったのか。国の方針は『邪魔なものは殺せ』という。今も牛の夢を見る。『水を飲ませてくれ』と泣いている」と話しました。「原発を再稼働しているが、バカなことだ。被災地をちゃんと元に戻してほしい」と怒っていました。

 福田さん宅の雨どいの下を計測すると51マイクロシーベルトの測定限界値を振り切れました。「何にもできないことがつらい」と怒りを抑えて語りました。

(「しんぶん赤旗」2016114日より転載)