東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)で、安全施設関連のケーブルが新規制基準に反していたことを受けて原子力規制委員会は1月6日、全国の原発に同様の問題がないか調査することを指示しました。しかし、運転中の九州電力川内原発1、2号機と再稼働の準備が進められている関西電力高浜原発3、4号機は対象外としており、規制の在り方が問われます。
新規制基準では、火災の影響軽減のため安全施設関連のケーブルの系統を分離して敷設することを求めています。しかし、昨年9月に柏崎刈羽原発6号機で、中央制御室床下に、原子炉の緊急停止などに必要な「安全系」ケーブルとその他のケーブルが混在して敷設されていることが発覚。その後の調査で、柏崎刈羽原発1~7号機の中央制御室床下で1049本のケーブルで同じ違反が確認され、中央制御室床下以外でもこれまでに696本のケーブルで問題が報告されました。
規制委は、保安規定違反の四つの区分で、2番目に重い「違反2」に相当するとしました。
さらにこれまでに、同福島第2原発や中部電力浜岡原発など5原発でも同様の問題が発覚しています。
規制委は、新規制基準の使用前検査で一部を抜き取りで調査したとしている川内原発1、2号機と現在、使用前検査中の高浜原発3、4号機を除く各原発のケーブルの敷設状態の調査を指示。ケーブルに限らず安全機能を有する設備に影響を与える工事についても、全原発に調査を指示しました。
(「しんぶん赤旗」2016年1月7日より転載)