東京電力は8月27日、福島第1原発で外洋に直接通じる排水路から放射性物に汚染された雨水が流出したと発表しました。排水路出口に設けたせきの内側にポンプがありますが、強めの雨でくみ上げが問に合わなかったといいます。17日にはポンプがフル稼働せず流出して問題になりましたが、今回は全ポンプが起動していました。
東電によると、流出は27日午前0時17分に監視カメラの映像で確認され、同25分に止まりました。外洋に面した排水路の出口を、第1原発の港湾内に付け替える工事が今年度内に完了するまで、抜本的な流出防止策はないといいます。
排水路を流れていた水からは全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり640ベクレル検出されました。
浄化地下水の放出で現地調査・・地元自治体
東京電力福島第1原発で汚染水対策として、1〜4号機建屋周囲の井戸(サブドレン)で放射性物質を含む地下水をくみ上げ、浄化後に海に流す計画をめぐり、福島県と周辺市町村などでつくる協議会は8月26日、井戸や浄化設備などを現地調査しました。県の樵隆男危機管理部長は終了後、浄化設備から原発専用港内にある放出口までの配管の長さが約2キロに及ぶことを挙げ、「距離が長い。水漏れや不具合がないように運用するのが前提だ」と指摘。放射性物質濃度の順守など厳格な運用を求めました。
(「しんぶん赤旗」2015年8月28日より転載)