原子力規制委員会は12月3日の定例会合で、専門家による敷地内断層(破砕帯)調査について、一度評価がまとまった場合は、事業者から新たな知見が示されても専門家会合を開かず、規制基準への適合性審査の場で判断するとしました。
日本原子力発電の敦賀原発(福井県)では、専門家会合が2号機直下を走る断層を「活断層である」との評価書を2013年5月にまとめました。その後、日本原電が追加報告書を出したため、専門家会合で再評価の議論中ですが、今後、こうしたやり方をしないことなどで、審査を効率的に進めるねらいがあります。
また、これまでの専門家会合の運営は全員一致が原則でした。しかし、可能な限り早く評価書をまとめていくため、専門家の間で断層の評価が分かれた場合、その旨を明記して評価書をまとめるとしています。
東北電力東通原発(青森県)では、敷地内の複数の断層が議論の対象になっていますが、重要施設直下の断層について専門家の意見が割れています。
田中俊一委員長は、会合後の会見で、意見の一致しなかった論点について「今度は適合性審査できちんとしていくというプロセスに入るんです」と述べました。
規制委員会は2012年から、6原発の敷地内断層の評価を行うため関連4学会から16人の外部専門家の推薦を受け、各原発に4人の専門家と規制委委員による評価会合を設置しています。これまでに、敦賀原発のほかには関西電力大飯原発の敷地内断層の評価書をまとめています。現在、専門家会合が開かれているのは東通原発のほか、関西電力美浜原発、北陸電力志賀原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」です。
(「しんぶん赤旗」2014年12月4日より転載)