原発の廃炉が進むドイツで、風力や太陽光など再生可能エネルギーによる発電量の総発電量に占める割合が、今年は9月末までで28%になることが明らかになりました。昨年は1年間で25%で、このまま推移すれば年間で3%増えることになります。 (片岡正明)
同国のエネルギー会社や研究所などでつくるエネルギーバランス作業グループが10月末に推計値を発表したもの。それによると、風力発電所や太陽光発電所の増設や、再生可能エネルギー発電に適した天候の影響で、発電量は9月末までで昨年同期よりも1・6%伸びました。
ベルリンにあるシンクタンク「アゴラ・エネルギー転換」も10月、9月末までの再生可能エネルギーの発電の割合を27・7%と推計、二つの推計値はほぼ一致しています。またエネルギー・水道事業連盟調査によると、今年上半期の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は28・5%でした。
アゴラ・エネルギー転換によると、再生可能エネルギーで発電量の割合がもっとも高いのは風力で、総発電量の9・5%、続いてバイオマスが8・1%、太陽光が6・8%となっています。
ドイツのメルケル政権は、2011年の東京電力福島第1原発の事故後、「ひとたび原発事故が起こればその結果は、空間的にも、時間的にもきわめて深刻かつ広範囲であり、他のすべてのエネルギー源がもつ危険をはるかにしのぐことになる」として、原発の廃炉を決断しました。
22年末までに全炉の運転を停止し、廃炉に向かうとする法律を11年に成立させています。再生可能エネルギーを将来のエネルギー供給の柱と位置づける「エネルギー転換」計画を進展させています。
(「しんぶん赤旗」2014年11月21日より転載)