全労連や全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)などでつくる「原発をなくす全国連絡会」は11月18日、衆議院第2議員会館で「原発ゼロの日本」の実現を求める要請を、経済産業省、原子力規制庁、内閣府、厚生労働省、環境省など関係省庁に対して行いました。
冒頭あいさつした、全日本民医連の長瀬文雄副会長は、「福島原発事故から3年8カ月が経過したが、福島では事故の収束どころか除染や賠償、生活再建がいっこうに進んでいません。関係省庁は、私たちが提出した要請について議論をし、課題を鮮明にしてもらいたい」と語りました。
この日の交渉では、▽福島原発事故の収束、損害賠償▽福島原発労働者の健康管理▽川内原発の再稼働計画の撤回と原発ゼロの決断▽原発の輸出をやめること▽自然エネルギーへの転換と電力の発送電分離―などについて要請しました。
川内原発の再稼働、周辺住民の「避難計画」について、全労連の小田川義和議長は「実際に防災訓練や実地検証も行っていない。これでは再稼働できないのではないか」と指摘。対応した内閣府は、原発再稼働についての権限はもっていないとしながらも、「ご指摘を踏まえて検討したい」と語りました。
ふくしま復興共同センターの斎藤富春(よしはる)代表委員は、原子力規制庁に対し、「福島事故の収束や汚染水問題を無視しての原発再稼働は、県民から見ると納得できません。まずは事故の収束を最優先にしてほしい」と強調しました。
原発輸出に関して、自由法曹団の柿沼真利弁護士が「輸出先の原発安全性について、日本はどれくらい確保できるのか」とただしました。経産省は「立地国が責任を持つのが国際ルール。要望があれば協力は可能」とのべ、相手国任せの無責任な姿勢を示しました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月19日より転載)