東京電力福島第1原発事故で出た放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場候補地として、環境省が栃木県塩谷町にある国有林を提示した問題で、町民らでつくる「塩谷町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会」(和氣=わき=進会長)は10月29日、小里泰弘環境副大臣と面会し、候補地の白紙撤回を求める約17万人分の署名を提出しました。署名数は同町人口(約1万2000人)の約14倍に達しました。
署名は、反対同盟会が町内外から約2カ月間で集めました。
署名に添えて提出した要望書は、候補地が、同省が認定した名水百選「尚仁(しょうじん)沢湧水」に隣接し、活火山の高原山中腹にあることなどを指摘。「この自然を子々孫々の代まで受け継ぐため」に白紙撤回を求めるとしています。
署名提出には見形和久町長も同席し、候補地周辺の自然環境の豊かさを強調しました。
小里副大臣は「不安を払拭(ふっしょく)するために、ぜひ住民説明会を開催させてもらいたい」と述べました。
同町議会の橋本巌副議長(日本共産党町議)は「署名の重みを受け止め、多くの県民・町民が反対する計画はただちに白紙撤回すべきだ。候補地選定は住民合意を大前提とするなど放射性物質汚染対処特措法を見直すことこそ急ぐべきだ」と話しています。
(「しんぶん赤旗」2014年10月30日より転載)