第39回全国公害被害者総行動が6月4日、都内で行われ、東京電力福島第1原発事故被害者の救済・賠償と原状回復・地域再生を求めた政府・東電交渉に約300人が参加。謝罪と賠償を求めて裁判を起こした各地の原告らが発言しました。
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の中島孝原告団長が、東電側が裁判で行った「(放射線量)20ミリシーベルト以下は権利侵害にあたらない」「原状回復は、技術的に可能でも費用がかかりすぎる」との主張を撤回するよう要求。東電は「個別の訴訟での主張に関しては、回答を差し控える」と繰り返し、会場から「回答になっていない」「不誠実だ」と非難の声が上がりました。
避難生活に疲れた妻・はま子さん=当時(58)=を一時帰宅した福島県川俣町山木屋の自宅での焼身自殺で亡くした渡辺幹夫さん(64)は、事故前の故郷の自然の美しさ、親戚や友人らとの生活を語り、「原発はそのすべてを奪い去った。妻と故郷とそれにつながるすべてを奪われた悔しさは口では言い表せない。この悔しさはすべての原発被害者に共通する」と訴えました。
日本共産党の渡辺博之いわき市議は、原発作業員の過酷な労働環境や不当に抑えられた賃金の実態を取り上げ、改善を求めました。
いわき市から東京都内の民間借り上げのみなし仮設住宅に家族で避難している男性(45)は、「1年ごとの更新では、生活の再建や将来の見通しを立てることができない」として無期限・無償での住宅の提供を訴えました。
(「しんぶん赤旗」2014年6月5日より転載)