所員約700人が事故直後、避難認める
21日の衆院経済産業委員会で東京電力の広瀬直己社長は、「朝日」20・21日付の報道に関して、福島第1原発事故直後の2011年3月15日に所員約700人の9割が10キロ南の福島第2原発に退避していた事実を認めました。日本共産党の塩川鉄也議員の質問に答えたものです。広瀬社長は、退避した所員の中には事故対応の指揮にあたるべきグループマネジャー(GM)がいたということについても「そうした人間がいたのは事実」と認めました。
塩川氏は、現場の責任者だった故・吉田昌郎第1原発所長(当時)が、政府事故調の聴取に対して「2F(福島第2原発)に行けとは言っていない」と答えた「聴取結果書」の内容について質問。広瀬社長は「そういうことだったのだろう」と認めつつ、事故で非常に危険な状態にある中で「とにかく安全なところに一時的に避難しろ」ということだったと説明しました。その上で「必要な対応人員は確保されていた」と繰り返しました。
広瀬社長は、(ウエットベントの実施後)格納容器の圧力を下げるために「ドライベントの検討を始めた」とする報道の事実を認め、実施した場合の放射性物質の拡散の予測についても「行われていた」と認めました。
「住民に知らせるという考えはなかったのか」との塩川氏の追及には、「それをせずに済んだということ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2014年5月22日より転載)