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福島県、「美味しんぼ」遺憾・・風評助長「断固容認できず」

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画像クリックで、福島県が5月7日小学館に申し入れた全文を(pdf)を見られます。

 週刊『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)連載中の漫画「美味(おい)しんぼ」で、東京電力福島第1原発訪問後に鼻血が出たり、福島県の井戸川克隆・双葉町前町長などが登場し「今の福島に住んではいけない」と発言したりする場面が掲載されていることについて、福島県は5月12日、「風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾だ」とのコメントを発表しました。

 県はコメントの中で、「特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない」と指摘。「県内外の多くの皆さまに不安と困惑を生じさせている」と懸念を表明しました。

 また、県は7日付で小学館に反論を送付し、鼻血の場面について「一般住民は(鼻血などの)急性放射線症が出るような被ばくはしていない」と強調しています。この件については、双葉町も7日に小学館あてに抗議文を発表しています。

 

以下に、福島県が発表したコメント全文を掲載します

週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について

平成26年5月12日
福島県

 週刊ビッグコミックスピリッツ4月28日発売号の「美味しんぼ」の内容につきまして、県内外の多くの皆様から、出版社に対して県として対応すべきであるとの多くのお声をいただいております。

 「美味しんぼ」において、作中に登場する特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり、県内外の多くの皆様に不安と困惑を生じさせており、県としても大変危惧しております。

 県では、これまで全ての県民を対象とした「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」等により、県民の皆様の健康面への不安に応える取組を実施してまいりました。
 また、県産農林水産物については、「農地等の除染」「米の全量全袋検査などの徹底したモニタリング検査」等により安全性の確保と、正しい理解の向上に取り組み、市場関係者や消費者の理解が進むとともに、観光分野においても、観光客入込数が回復傾向にあるなど、ようやく本県への風評も和らぎつつある状況に至ったところです。

 このような中、「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」の表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります。

 「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れております。

 また、これまでの経過を次のとおり併せてご報告させていただきます。

 4月30日に出版社より本県に対して、「[5月19日発売号]において、漫画の誌面では掲載しきれなかった様々な意見を紹介する検証記事を掲載する」として、次の3点に関する取材又は文書回答を求める依頼があり、さらに、5月1日には[5月12日発売号]に掲載する「美味しんぼ」原稿の送付がありました。

 (出版社から取材依頼のあった事項)
  ・「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか。
  ・鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。
  ・「美味しんぼ」の内容についての意見

 本県においては、上記に対して5月7日に出版社あて以下のとおり県の見解を示し、申し入れしております。

(「しんぶん赤旗」2014年5月12日より転載。福島県コメント掲載は、山本雅彦)

 

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