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東電の再稼働表明 国の責任重大・・“安全よりお金か”新潟知事

「お金と安全と、どちらが大切か。安全と答えたが、うそだった」―。柏崎刈羽原発の再稼働審査を原子力規制委員会に申請する方針への理解を求めた東京電力の広瀬直己社長に対し、新潟県の泉田裕彦知事がのべた痛烈な言葉です。

7月5日、新潟県庁での会談での、やりとりは、次のようなものでした。

知事 年度内の黒字化は意識したか。

社長 経営なので、それは絶えず意識している。

知事 不安解消よりお金を優先したのか。

社長 経営者なので、3期連続の赤字は何としても避けたい。

知事 1年前の「安全優先」はうそなのか。国民が聞いたらどう感じるか。東電はトップが先頭切ってうそをつく会社だとしか伝わらない。

福島第1原発事故を起こしたことへの反省もなく、国民の安全を置き去りに原発再稼働をねらう東電の営利本位の姿勢は厳しく批判されなければなりません。

東電が地元への事前説明も了承もなく、手続きを急ぐ背景には、政府が1兆円を出資して実質国有化した際につくった「総合特別事業計画」(再建計画)があります。

同計画は、再稼働が前提になっています。東電は原発1基動けば収支が年間約800億円改善されると見込んでいます。しかし、再稼働が遅れるほど黒字化は遠のき、3期連続の赤字となれば、銀行から融資を打ち切られる恐れがあります。

こうした再稼働前提の無理な事業計画を承認した国の責任も重大です。

東電が申請方針を決めた2日、茂木敏充経済産業相は、「国としても前面に出る」とのべ、地元への説得に乗り出す構えを示しました。事故の収束とはほど遠い状況で、再稼働や原発輸出に前のめりになっている安倍自公政権と東電が一体となって再稼働へと突き進むことは許されません。(忠)

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