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福島の漁民、驚き怒り・・首相「汚染水ブロック」発言、「ありえない」

いつ漁ができるか…対策を本気で進めて

安倍晋三首相が9月7日夜、2020年夏季五輪開催都市を決めるIOC総会で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れについて「状況はコントロールされている」「港湾内の0・3平方キロメートル範囲内で完全にブロックされている」と発言したことに対し、福島県民の漁民から驚きと怒りの声が上がっています。

「港湾内に汚染水を完全にブロックするなんてありえない」というのは相馬双葉漁協原釜支所小型船船主会会長の今野智光さん(54)です。

港湾内には水質汚濁拡散防止のためのシルトフェンス(水中カーテン)が設置されています。しかし、「あれは海の上側だけ。海の下側までふさいでいるわけではないし、潮の行き来がある。それに港湾口は外に開いている」と指摘します。

県北部の新地町の小野春雄さん(61)は、汚染地下水が海に到達する期間は専門家の間でも見解が分かれているということを指摘。「そんな難しい問題を『完全にブロック』なんて意味が分からない」と話します。

今野さんも、小野さんも五輪の開催自体はいいことだとしつつも、次のようにいいます。

「原発で苦しめられている福島県民からみると外国のお祭りを見ているような感じ。漁師仲間でも五輪は首相が先頭に立つけれど、汚染水問題では漁師の前には大臣もこない。事務方が最近ようやくきただけ。対応が全然違うと話題になっている」(今野さん)

「招致活動のなかで『東京は福島から250キロ離れている』という言葉を耳にした。東京のために発電してきて被害にあって…。福島県民は取り残されているようだ」(小野さん)

汚染水問題で福島の漁業は試験操業も含めて全面ストップしています。小野さんの息子は3人とも漁師です。

小野さんはいいます。「いつになったら福島で漁業ができるようになるのか分からない。前に進むといってもつらい。違う職にといっても無理だ。今後、事態が良くなると考えて前に進むしかない。原発政策を進めてきたのは自民党だ。安倍政権は本気になって汚染水対策を進めてほしい」

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