東京電力福島第1原発で高濃度の放射能汚染水が保管されている七つのタンクエリアで、放射性物質を外部に出さないために設置したせきの水位が大雨によって上昇し、あふれる恐れがあるとして、東電は9月16日、排水を行ったと発表しました。東電はセシウム濃度を測らず排水しており、さらなる批判を招く可能性もあります。
東電は汚染水の漏えい事故を受けて、政府の指示で排水弁を閉めていました。台風18号による大雨は事前に予想されていたのにもかかわらず、放射性物質を含む水の排出基準は定めていませんでした。
東電によると、今回排水したエリア内にたまっていた水を調べたところ、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質濃度は最も高いところでも1リットル当たり24ベクレルだったといいます。
排水した量は不明で最終的に海へ流出する可能性もありますが、東電は「雨水であることを確認している」と話しています。