「親の代から後援会の役員をしてきた自民党支持者だった」という福島市に住む高橋克彦さん(41)は、参議院選挙後、日本共産党に入党しました。
高橋さんは自民党支持者たちを「同じ釜の飯を食べた仲間」と思いフレンドリーに付き合ってきました。ところが「国会議員を先生と呼ぶのはおかしいのではないか」と発言したことから排除されるようになりました。
「自民党が民主党政権から政権を奪還すると上から目線になってきた。政権をとるとそうなるのか」と失望しました。
■私たちの身近に
参院選が迫りました。自民党にしか入れたことのなかった高橋さんは、インターネットで投票先を模索していました。知り合いとの交流を深めたり、好きなジャンルや趣味の情報を集めたりするフェイスブックで、日本共産党のいわぶち友・選挙区候補と出会いました。同候補の政見放送を聞きました。
印象は「いいなあ」と思いました。「憲法9条を守る。原発ゼロにするとはっきりしている」。初めて選挙区で、いわぶち候補に、比例区で日本共産党に投票しました。
高橋さんにとって「百八十度の転換」。「共産党は怖い党と思っていた。ソ連などと同じ。暴力革命の党だと思っていた」のが「福島の命に関わることを優先して取り組んでくれる。私たちに身近な党なんだと思えた」と感じました。
選挙後、「青年部(日本民主青年同盟)の集まり」に誘われました。志位和夫委員長の日本共産党創立91周年記念講演をビデオで見て懇談する会でした。「そこで気づいたのは、企業・団体献金を受け取らない。党員と支持者のお金でまかなう。大企業などどこに対しても強く言える。すごいところだと思いました。『一緒にやりませんか』と誘われて入党しました」
■安倍発言に憤慨
五輪・パラリンピックの開催都市を選ぶ国際オリンピック委員会総会で、安倍首相が「状況はコントロールされている」「汚染水は福島第1原発の港湾内の0・3平方メートルの範囲内で完全にブロックされている」と発言したことに憤慨します。
「(汚染水問題は)福島県の漁師の問題だけでなく、原発事故に苦しめられているすべての人々の問題です。コントロールされているのなら試験操業の延期などしなくてもいい。ウソはだめです」ときびしく批判。「自民党は目の前の惨事に目を向けていない」といいます。
自動車修理工の高橋さん。「消費税増税されれば苦しくなるのは見えています。絶対反対です」と話しています。(菅野尚夫)