スマートフォンを地震計として使えば、被害状況を迅速に把握して救出や救援に役立てることができる−。イタリアの地震学者のグループが9月29日、米地震学会紀要10月号に発表しました。
スマートフォンには、角度に応じて画面の向きを変えられるよう、振動の強さなどの測定にも利用できるセンサーが使われています。研究グループは、スマートフォンの「アイフォーン」(i Phone=Apple社製造)に使われているセンサーと、実際に地震計に使われているセンサーの性能を比較しました。
その結果、地震の規模を表すマグニチュード(M)が5以上の地震の震源地の近くでは、揺れの強さを正しく検出できることがわかりました。スマートフォンの場合、データをただちに送ることができる点でも有利だといいます。
研究グループは、実用化されれば、利用者の多い都市部で地震観測網を構築でき、被害が最も大きい可能性がある地域を割り出し、そこに資源を効果的に割り当てられるようになるとみています。