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原発運転に懸念の声/南海トラフ「巨大地震注意」

 8日に発生した日向灘を震源とする地震で、気象庁が初めて発表した南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)。対象地域には4原発7基(運転終了を除く)が立地していますが、原子力規制庁などは、臨時情報による運転停止を想定していません。専門家や地元住民から運転継続に懸念の声があがっています。

 地震発生時に運転中だったのは九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)2号機。同1号機と四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)3号機は定期検査で停止中、4基は再稼働前です。

 気象庁の臨時情報には「巨大地震注意」のほか、より大きい地震が発生した場合の「巨大地震警戒」がありますが、規制庁は、いずれの場合も、原子力事業者に対して防災体制の確認などの注意喚起はするが、運転停止の指示などは想定していないといいます。

 九電と四電は「南海トラフ地震を考慮した耐震設計をしている」「設定値以上の揺れで運転を停止する」などと説明。臨時情報に対して特別な対応はとらないとしています。

 立石雅昭・新潟大学名誉教授(地質学)は、臨時情報が出たら運転中の原発は即停止すべきだと主張。とくに伊方原発については、南海トラフ巨大地震時の揺れの想定が県の防災計画と乖離(かいり)しているのではないかと指摘し、「基準地震動を見直し、対策をとらない限り、そのまま停止させておくか廃炉にすべきだ」と話します。

 川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は8日、地元自治体の議会との意見交換会で、原発事故の防災訓練や避難計画の問題点を指摘したばかりでした。いつ地震が起きてもおかしくないもとで20年の運転期間延長に反対してきた鳥原さん。「臨時情報が出た際に特別な対応をとらないのはおかしい」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2024年8月10より転載)