関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)をめぐり住民らが求めた運転差し止め仮処分の即時抗告審は2日、第1回審尋が名古屋高裁金沢支部で開かれました。県内住民9人の申し立てを却下した、福井地裁(加藤靖裁判長)の不当決定を受けたものです。
住民側の会見で、井戸謙一弁護団長は、裁判所に示した内容として、東京電力福島第1原発事故がいかに危機的で深刻かを認識する重要さなどとともに、能登半島地震の教訓である地震と原発事故の複合災害を挙げました。
井戸氏は、「避難することができず、被ばくしてしまう。それなのに運転することは許されない」と強調しました。
住民側は、原発敷地に震源断層が極めて近い場合、断層破壊の浅い部分から、原発設備に深刻な影響を及ぼす短周期地震動が発生すると指摘しています。
これに対し、福井地裁は、専門家の間で議論が分かれているとしながら、安全側に立った判断を放棄しました。
美浜原発3号機は、運転開始から47年を超えて老朽化しています。
次回は11月1日に行われます。
(「しんぶん赤旗」2024年8月5日より転載)