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汚染水ゼロ・デブリ長期管理を/原子力市民委

 脱原発社会の構築に向けた議論・政策提言などを行っている原子力市民委員会(座長=大島堅一龍谷大学教授)は3月、福島第1原発の廃炉について、「汚染水発生量ゼロ」の目標を明確化し、燃料デブリは取り出しを中止して安全に長期遮蔽管理するよう求める提言を発表しました。

 提言は、汚染水の大量発生を止められずに、漁業関係者や市民、近隣諸国からの強い反対を押し切って開始された「ALPS(多核種除去設備)処理汚染水」の海洋投棄が続くことは看過できないと指摘。しかし政府が定めた工程表(中長期ロードマップ)には、汚染水発生量ゼロの目標がないうえに、燃料デブリの全量取り出しの技術的見通しも立たず、その最終的行き先が不明であることから、工程表の見直しが必要だとしています。

 市民委は、提言について政府・東京電力と意見交換した結果を、4月16日のオンライントークで報告。担当した川井康郎さんは、海洋放出を強行して政府・東電は「汚染水ゼロ」へのモチベーションを失ったのでないかと、感想を述べました。

(「しんぶん赤旗」2024年4月28日より転載)