中国電、調査開始 山口・上関
中国電力は23日、原発から出る使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設を巡り、山口県上関町でボーリング調査を始めました。調査は半年間の予定。地下100メートルから300メートルの深さで行います。活断層の有無や地層・地質の分布などを調べ、立地が可能かどうかを見極めます。「適地」と判断すれば、建設に向けた同意を町に求める方針です。
建設候補地は、中国電が工事を中断している「上関原発」の用地内。上関町は昨年8月、中間貯蔵施設建設に向けた調査を中国電が関西電力と共同で行うことについて、受け入れを決定しました。
これを受け、中国電は過去の巨大地震や津波などの発生状況を調べる文献調査を実施。今年1月下旬から、ボーリング調査を行う11カ所の周辺で、木の伐採などの準備に着手していました。(時事)
反対の声大きい 日本共産党山口県平生町議 赤松義生さん
中間貯蔵施設に持ち込まれる使用済み核燃料は長期間の管理が必要で、事故が起きれば広範囲に被害が及びかねません。周辺自治体の一つである平生町では、移住・定住対策への影響を懸念する声が出ています。上関町長の同意だけで計画が進むことは大きな問題だと思います。
上関町民100人を対象に共同通信社が実施した調査(昨年10~12月)では、施設誘致について「反対」「どちらかといえば反対」と回答した人が計59%にのぼりました。
安全性についての説明が不十分で、事実上の最終処分場になることを心配する声もあります。
中国電力と関西電力は、原発再稼働と一体で中間貯蔵施設の建設を進めようとしています。今回のボーリング調査も住民の意見を聞かずに計画を進める強引な姿勢を感じます。
(「しんぶん赤旗」2024年4月24日より転載)