東京電力は２４日、福島第１原発で電源系統のトラブルが発生し、１９日から始まった５回目の汚染水（アルプス処理水）の海洋放出が一時停止したと発表しました。

　東電によると、同日午前１０時４３分ごろ、所内に電気を供給する系統の一つが停止。このため、アルプス処理水の希釈放出設備が止まりました。

　一方、電気を供給する系統が停止した同時刻に、構内の大型機器点検建屋の西側で掘削作業をしていた作業員が負傷しました。作業員は意識があり、救急車で医療機関に搬送されました。

　東電は、掘削作業の場所近くに、停止した系統のケーブルがあるため、掘削作業がケーブルを損傷し、系統が停止した原因と推定しています。

　また、系統停止で構内にある作業拠点の免震重要棟も一時電源を喪失し、実施計画で定める運転上の制限を逸脱しました。

　東電によると、別の電源系統からの受電により、同日午後５時１６分に海洋放出を再開しました。

（「しんぶん赤旗」2024年4月25日より転載）