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日米など「原発3倍化」宣言・・市民団体批判 「気候対策にならない」

COP28に合わせ発表

 【ドバイ=小梶花恵】米政府は2日、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせ、「2050年までに世界の原子力の発電容量を3倍にする」との宣言に、日本など21カ国が賛同したと発表しました。市民団体などはいっせいに「原発は気候変動対策にならない」と批判しています。

 賛同したのは、ほかにカナダ、フランス、英国、韓国、ウクライナ、COP28議長国のアラブ首長国連邦など。宣言は「原子力はすでにクリーンで安定供給が可能な電源だ」などと主張し、国際金融機関の融資政策に原子力を含めることを促すとしています。

 日本政府は東京電力福島第1原発事故後、「原発の依存度を低減する」との方針を掲げていましたが、今年5月に成立した原発推進等5法で、60年超の運転期間を可能にするなど原発回帰に転換。COP28で岸田文雄首相は「原子力の活用」を表明しました。

 国際環境NGOなどが2日、共同で緊急声明を発表。気候ネットワークの浅岡美恵理事長は「原発のコストが上がり再エネのコストが低下しているなか、原発容量を2050年までに世界で3倍にするのは、全く現実的ではない」と指摘。FoEジャパンの満田夏花事務局長は「日本では、原発事故の収束からはほど遠く、人々は今もその影響に苦しんでいる。原発を稼働させ続けることは将来世代に大きなつけを残す」と批判しています。

(「しんぶん赤旗」2023年12月4日より転載)