再稼働に必要な審査に用いる資料で繰り返し誤りが見つかった日本原子力発電(原電)敦賀原発2号機(福井県)をめぐって、原子力規制委員会は6日、設置変更許可申請の補正文書を原電が8月末に提出したのを受け、審査の再開を了承しました。
この日の会合で、原子力規制庁は形式的な要件が整っていることを確認したので、内容については審査で確認していくと説明。また、申請内容を確認するために現地調査を行うとしています。
同原発の審査では、2号機原子炉直下を通る断層に関する審査資料で、2019年に1000カ所以上の資料の記載不備が見つかり、20年にはボーリング調査による地質データが無断で書き換えられていたことが発覚し、長期にわたり審査が中断しました。22年12月に審査を再開しましたが、その後も審査資料の誤りが繰り返し見つかり、規制委は今年4月、審査を中断し、原子炉直下を通る断層に関係した申請の補正を求める行政処分を行いました。
規制基準では活断層の上に重要施設を建てることを禁じています。このため同原発の審査は、原子炉直下を通る断層が活断層かどうかが焦点になっています。
山中伸介委員長は、会見で原子炉直下の断層に関して「この補正書をもって審査会合の結論を出していただくことになると思います。その結論次第で委員会で議論をして、最終判断をしたい」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2023年9月8日より転載)