福島県農民運動連合会(福島県農民連)は、原発運転期間の上限60年超への延長や新増設などを推し進める原発推進等5法案(GX電源法案)の委員会採決が強行された26日、参院議員会館で、東京電力福島第1原発事故による被害への損害賠償、原発事故による汚染水の海洋放出中止などを、政府・東電に要求しました。
根本敬会長は「チェルノブイリ原発事故が起きた日に原発推進法案を可決しようとしている。事故から12年を経た福島の現状をなかったことにして、原発を生き延びさせる法案だ」と批判。「われわれは沈黙しない」と語りました。
交渉には、約100人が福島県から駆け付け、加工自粛・出荷制限が続くあんぽ柿などへの損害賠償▽汚染水の海洋放出の中止▽原発の新増設、運転期間の延長をやめ、国内の全原発の廃止計画の作成、省エネと再生可能エネルギーの圧倒的普及を―などを求めました。
原発事故以来、出荷制限が続くあんぽ柿への賠償について、昨年12月の交渉の際、東電が「検討する」と回答したものの、現時点まで支払いがありません。「何を問い合わせるか確認している」との東電に対し、佐々木健洋事務局長は、必要な資料は提出しているとし「もう4カ月経過した。4月中に文書で回答を」と要求しました。
また、農民連会員の柿農家に対し、賠償金から県が出す植え替えへの補助金の額を差し引く合意書への署名・なつ印を迫ったことに抗議しました。
農民連は、広域遮水壁などの汚染水の増加を止める具体的な対策を提起。「これ以上増やさない対策を急げ」と迫りました。
日本共産党の紙智子、岩渕友の両参院議員、立憲民主党の衆院議員、共産党福島県議団が同席。紙氏は「農産物を出せない状況だから請求している」とし迅速に対応するよう求めました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月27日より転載)