柏崎刈羽原発のくい損傷・・規制委が現地確認へ
東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の原子炉建屋に隣接する「大物搬入建屋」と呼ばれる施設を支える鉄筋コンクリート製くいの損傷状況について原子力規制委員会は1日、現地確認をします。設計・工事計画の認可の審査の一環です。
東電によると、同建屋の基礎を地中で支える8本のくいのうち1本で、鉄筋18本のうち7本が破断し、11本が変形。その隣のくいではコンクリートのひび割れが6本見つかっています。
その後の調査で、損傷がみられたくいの周囲で硬い地盤を確認。1990年代の6号機建設時に大型クレーンを設置する際に地盤を補強するために使われた「セメント改良土」が残っていたものとわかりました。東電は、その状況で2007年の中越沖地震により力が加わり損傷したと推定しています。
東電は、セメント改良土などは工事が終われば支障がないもの以外、撤去することになっていたと説明。施工業者から、セメント改良土を残したなどという報告の記録はないとしていますが「施工管理を強化していきたい」としています。
6号機大物搬入建屋は、新規制基準への設置変更許可申請の中で、東電が高い耐震性が要求される建屋として新たに指定。耐震補強のために地盤改良工事を実施中です。
東海第2再稼働工事を延長・・日本原電 24年9月まで
日本原子力発電は28日、現在停止中の東海第2原発(茨城県東海村)をめぐり、再稼働に向けた工事完了を2024年9月まで延長すると発表しました。原電は現在、防潮堤の設置のほか原子炉を冷やす海水取水口の耐震化などを実施。これらの工事を今年12月までに終わらせる計画でしたが、工事の進ちょく状況などをふまえ約1年9カ月間延長します。
23年10月が設置期限の、テロなどに備える「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の工期も今回の延長に合わせます。
同原発の再稼働には立地する東海村のほか、周辺5市の事前了解が必要です。周辺30キロ圏内の14市町村と医療・福祉施設が義務付けられている「広域避難計画」の策定作業が進まないほか、水戸地裁が昨年3月に同原発の運転を認めない判決を言い渡しており、現時点で再稼働が見通せない状況にあります。
(「しんぶん赤旗」2022年3月1日より転載)