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福島第1で廃液漏えい・・3号機 基準超す放射性物質含有

 東京電力は9月2日、福島第1原発3号機の建屋で高濃度の放射性廃液の漏えいが発生し、たまった廃液の移送を開始したと発表しました。漏えいは継続しているといいます。

 東電によると、漏えいが発生したのは3号機の原子炉建屋に隣接する廃棄物地下貯蔵建屋。1日午後2時47分に同建屋の水位の上昇が確認されたため同社社員が現場を調べ、地下1階にあるタンクに接続された配管から建屋内に廃液が漏れていることを同6時18分に確認しました。原因は不明だとしています。

 建屋の水位は、1時間に2~3センチメートルのペースで上昇していましたが、東電は2日午前8時40分から仮設ポンプで漏れた廃液を別の建屋に移送しています。東電によると、すぐに配管を補修するのは困難で、漏えいは2日午後も継続しています。

 漏れた廃液を分析したところ、国が定めた放出基準(告示濃度限度)の1000倍を超える1リットル当たり9万9000ベクレルという高濃度のセシウム137が含まれていました。コバルト60が同6万7000ベクレル、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が同18万ベクレルと、いずれも高濃度でした。

 建屋の水位が、周辺の地下水位よりも高くなると廃液が環境に漏れ出す可能性が心配されますが、東電は周囲の井戸の水位より十分に低いため廃液は建屋内にとどまっていると説明しています。

 当該のタンクは、震災前に原子炉水の浄化に使った廃樹脂を貯蔵していました。容量は94立方メートルで、満杯に近かったとみています。

(「しんぶん赤旗」2020年9月3日より転載)