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脱原発提案 全て否決・・大手電力9社、一斉に株主総会(福井新聞)

 東京電力ホールディングスなど原発を保有する大手電力9社は25日、東電福島第1原発事故後から10回目となる定時株主総会を一斉に開いた。原発への強い不安を背景に、脱原発を求める株主提案が全社で出されたが、全て否決。ただ原発の再稼働が一部にとどまり、巨額の事故対策費が経営の重荷となっている状況に変わりはない。

 事前に提出された株主提案は9社で計75議案になった。原発再稼働の反対のほか、原発専業の卸電力会社である日本原子力発電(東京)への経営支援の中止を求めるものが目立った。

 関西電力役員の金品受領問題に絡み、相談役や顧問の廃止を求める提案も増加するなど、企業統治にも厳しい目が向けられた。

 大手電力は株主提案に反対した。原発は電気を安く、安定して供給するのに必要だとして、再稼働に理解を求めた。日本原子力発電の経営支援については、原発の知見がある重要な協業相手だと指摘。相談役や顧問は地域貢献など社外活動の役割があるとした。

 大手は火力発電の燃料費が削減できるとして、原発の再稼働を進めている。しかし、福島事故を踏まえた新規制基準の審査に9原発16基が合格したが、地元の同意が得られず再稼働したのは5原発9基にとどまる。

 東電の文挟(ふばさみ)誠一副社長は総会で、福島第1の廃炉や損害賠償を念頭に「最大の使命は福島の復興で、巨額の資金が必要だ」と述べ、収益向上のために他の原発を再稼働する意義を訴えた。

(「福井新聞」2020年6月26日付けより転載)