原子力規制委員会が新規制基準に適合したとする審査書案を了承した日本原燃再処理工場(青森県六ケ所村)について、内閣府の原子力委員会は6月1日、同工場が「平和の目的以外に利用されるおそれがない」という規制委の判断を妥当としました。
岡芳明委員長は、2018年に改定した「プルトニウム保有量を減少させる」と明記した指針を踏まえ、プルトニウムを普通の原発で使うプルサーマルの実施に必要な量だけ再処理する対応を求めました。
使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出す再処理工場は、取り出したプルトニウムなどを再利用しようという国の「核燃料サイクル」の中核施設。原燃は21年度上期の竣工(しゅんこう)を予定しています。しかし、再利用先とされた高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉が決まり、プルサーマル発電も進まず、核燃サイクルは破たん。日本はすでに原爆6千発分に近い約46トンのプルトニウムを内外に保有し、高止まりし、国際社会から懸念を持たれています。
一方、原燃は1日、規制委の会合で、今後審査される設計・工事の方法の認可に必要な資料提出を「秋ごろ」とする考えを示しました。
(「しんぶん赤旗」2020年6月3日より転載)