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東日本大震災9年・・国の責任で強力な支援 今こそ

 未曽有の大規模広域災害となった東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生からきょうで9年です。岩手、宮城、福島の被災3県を中心に甚大な被害が広がり、避難の長期化と復興の立ち遅れによって、被災者は今も大きな苦難を抱えています。昨年の台風19号による大きな被害が重なった被災者も多くいます。生活と生業(なりわい)の復興、地域経済の再建へ、国が被災者の切実な声に応え、責任を果たすことが今こそ求められます。

住民戻らぬ被災地

 2011年3月11日に発生した宮城県沖を震源とするマグニチュード9・0の巨大地震とその後の大津波による死者・行方不明者は「震災関連死」も合わせ、1都1道10県で2万2200人以上に達し戦後最悪となりました。最大時47万人だった避難者は、原発事故が起きた福島県を中心に今も約4万8000人に上ります。知人などを頼り全国各地で暮らす「自主避難者」も少なくありません。

 道路や鉄道、土地のかさ上げなどハード面での前進はあるものの、多くの被災者には「復興」の実感は持てません。災害公営住宅(復興住宅)の建設は、岩手、宮城、福島の3県で、約3万戸が9年たってようやく完了予定です。一方、仮設住宅で顔なじみだった人たちと別の住宅になって、周囲との関係が薄れ、だれにもみとられず亡くなる孤独死が問題になっています。収入が増えると家賃が上がる仕組みに苦悩する住民もいます。実情に見合った、きめ細かな支援が必要になっています。

 被災自治体の悩みは、人口の減少です。震災前と比べ、岩手県で約10万人、宮城県で約4・5万人、福島県で約19万人も減少しています。もともと高齢化や過疎化が著しい地域だっただけに、国の強力な支えがなくては、被災地での生業の再建も再生もできません。

 とりわけ深刻なのは福島県です。いまだに県外への避難者は3万人以上です。放射能で汚染された市町村での避難指示は徐々に解除されていますが、立ち入り制限区域は多く残っています。

 避難指示が解除された地域でも生活に必要な病院・介護施設や商店街などのインフラが整わないため、帰りたくても帰れない人が少なくありません。帰還を諦めた人もいます。原発がある福島県双葉郡内の町村では、「復興のスタートにも立てない」と痛切な声が上がっています。こうした声を国は真剣に受け止めるべきです。

 福島県内のすべての原発は廃炉が決まりました。しかし、事故を起こした福島第1原発での溶け落ちた核燃料除去などの見通しは立たず、増え続ける汚染水の処理も解決のめどはありません。重大な事故を起こした東京電力に賠償などの責任を果たさせず、被害者の切り捨てを進める安倍晋三政権の姿勢は重大です。原発再稼働を無責任に推し進める政治からの転換が不可欠です。

真に寄り添った施策を

 安倍政権は2021年3月末までを「復興・創生期間」としています。復興庁の存続は決めましたが、期限を切った支援ではなく、最後まで国の責任を果たすべきです。

 さまざまな課題が山積する被災地と被災者の声を聞き、上からの押し付けでなく、被災者に寄り添った施策を実施すべきです。それが災害多発国の政治の役割です。

(「しんぶん赤旗」2020年3月11日より転載)