関西電力は2月18日、定期検査中の高浜原発3号機(福井県高浜町)の3台の蒸気発生器のうち2台からそれぞれ1本の細管で外側部分が削れたとみられることが確認されたと発表しました。同日、原子力規制委員会に法令に基づき報告しました。3年連続のトラブルで同社の管理体制が問われています。
関電は今後、細管の外観を確認するため、小型カメラによる調査を実施し、異物や部品による機械的接触があったかどうかなどを調べます。
関電によると、3号機にある3台の蒸気発生器の計9782本の細管を調査しました。細管の肉厚は約1・3ミリで、今回見つかった配管の減肉率は、それぞれ約30%と約60%としています。蒸気発生器は、炉心で加熱された1次冷却水の熱で2次冷却水を沸騰させ、タービンを回す蒸気を発生させる装置。安全上重要な機器です。
3号機は運転再開を4月上旬に、営業運転は5月上旬に再開する予定でしたが、現在は未定といいます。
高浜原発では、2018年9月に3号機で1本の蒸気発生器細管が、19年10月には4号機で計5本が、外側から削れていたことが見つかっています。関電は、いずれも定期検査時に異物が配管内に混入し、原子炉の起動後に蒸気発生器に到達したなどと推定。再発防止策として異物混入防止策の徹底などを示し、規制委はこれを妥当としていました。
(「しんぶん赤旗」2020年2月19日より転載)